鉄道情景への旅

produced by Akihiro Funasaka since January 1, 2001

JR釜石線（岩手県）宮守～柏木平
Canon EOS1N HS　EF 17～35mm f2.8 L USM　RVP　2004.6 .26

JR釜石線の宮守川橋梁は、昭和18年に架けられた5連アーチのコンクリート橋である。このような形の橋梁は、アーチが川面に映る姿が眼鏡の形に見えるので、一般に「眼鏡橋」と呼ばれるが、この橋も「宮守の眼鏡橋」の名のほうがよく知られている。

宮守川橋梁は宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」のモチーフになったと言われているが、賢治が生きていた頃の釜石線は軽便鉄道であり、宮守川橋梁もこのような堂々たる5連アーチではなかったので、現在のアーチ橋から名作「銀河鉄道の夜」を連想するのはちょっと無理があると思う。しかし、現在は橋のすぐ脇に道の駅が出来、「あの『銀河鉄道の夜』のモチーフになった橋」ということで、「宮守の眼鏡橋」は多くの観光客が立ち寄るビュースポットとなった。現在では広場や散策路も整備され、夜には「銀河鉄道」をイメージして橋のライトアップも行われている。平成14年には土木学会選奨土木遺産にも指定された。

そんな有名な橋梁であるから、普通に撮るのではちょっと新鮮味がないかなと思い、川とは逆方向の田んぼの方からロングショットで狙ってみたのがこのカット。初夏の深い緑と悪天候でコントラストが出ない状況で、菖蒲の花が良いアクセントになってくれた。

釜石線では、平成元年以来毎年蒸機の運転が行われていたが、平成13年の運行をもって突如終了。平成16年に一度だけ復活したが、その後は平成22年現在まで一度も運転されていない（ちなみにこの写真は、平成16年の運転のときのカットである）。運転休止に至ったいきさつは分からないが、釜石線は蒸機にとっての「見せ場」である勾配区間も多く、ロケーションにも大変恵まれた路線だけに、誠に残念である。

「鉄道情景への旅」へようこそ

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このページでは、私が撮りためた日本各地のローカル線の写真を紹介しています。日本のローカル線には、沿線の自然や暮らしに溶け込んだ独特の美しさがあります。

残念ながら、一陸上交通手段としての鉄道はいま大変難しい立場にあります。生き残りをかけた努力も空しく、廃線へと追い込まれていった鉄道も数多くあります。そして、それとともに多くの「鉄道情景」も永遠に失われてゆきました。

このページに登場する車輌たちは、蒸気機関車、ディーゼルカー、レールバス、旧型電車と種々様々ですが、彼らが見せてくれる「鉄道情景」には、鉄道という交通手段が共通して抱えるさまざまな問題や未来へのヒントが見える気がします。あえてこのような一見雑多なまとめ方をしてみたのも、被写体としての鉄道の魅力だけでなく、鉄道の存在感がつくる風景＝「鉄道情景」をご堪能いただければと思ったゆえです。

私の拙い撮影技術で、意図したことをどこまで表現できるか不安ではありますが、今後の「鉄道情景への旅」の中で更に精進を重ねてゆきたいと思っております。皆様方からのご意見・ご感想・ご鞭撻を心よりお待ちしております。

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　●最終更新日　2010年5月5日●

2010年5月5日
表紙写真を更新しました。

2009年12月5日
「鉄道情景への旅フォトエッセイ集」に「web写真展「三重連が越える峠道　小坂製錬小坂鉄道」をアップいたしました。これは去る2009年9月22日～27日、横浜市JR東神奈川駅前の「かなっくホール」にて開催された写真展「鉄道写真七人会と18名の仲間たちによる鉄道情景写真展」拙作コーナーをweb上で再現したものです。なお、未公開写真を1枚だけ追加させていただいております。

2009年11月30日
サーバの整理統合に伴い、「ポストカード＆写真集『岩泉線　鉄道情景への旅』web発注フォーム」および別館「国鉄色の館」を一時休止し、「鉄道情景への旅フォトエッセイ集」のコンテンツをアット・ニフティへ移転しました。

新作になかなか手がつけられない状況ですので、なるべくふにゃぶろぐのほうに力を入れて頑張ってゆきたいと思います。今後とも何卒よろしくお願いします。

　「鉄道情景への旅」本編　素晴らしき鉄道情景の世界へようこそ。　

「第０章」以外の各章は、それぞれ「序文」→「Gallery」という構成になっています。「序文」から順を追ってお読みになる場合は、タイトルをクリックしてください。「Gallery」のみご覧になりたい方は、「Gallery」のボタンからお入り下さい。

　第0章　鉄道情景への旅
　第1章　空想の中の鉄道、再び･･･南部縦貫鉄道（青森県）　[ Gallery ]
　第2章　最後の夏が逝く･･･野上電気鉄道（和歌山県）　[ Gallery ]
　第3章　大山塊に囲われた「鉄道情景の箱庭」･･･JR岩泉線（岩手県）　[ Gallery]
　第4章　「SL銀河号」の夏･･･北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線（北海道）　[ Gallery ]
　第5章　赤い風たちの思い出に捧ぐ･･･名古屋鉄道揖斐線・谷汲線（岐阜県）　[ Gallery ]

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