「鉄道情景への旅」produced by Akihiro Funasaka

　

子どものころは、東北特急を狙って早朝の上野駅に通う「カメラ小僧」であった。冬、台車や床下機器にびっしりと雪をつけて入線してくるブルートレインや特急たちを見て、いつの日か必ず自分もこんな「駅撮り」じゃなくて、雪の中を疾走する「ほんとうの列車」を撮りたいと思っていた（今も自分に「北」志向が強いのはそのせいかもしれない）。だが当時の私には遠くへ行くお金も度胸もなく、やがて東北・上越新幹線が開業して上野駅が往年の輝きを失ってからは、興味も情熱も失せて、さほど熱心に「テツ」していなかったように記憶している。

そんな自分が本格的に鉄道写真にのめり込むことになった最初のきっかけは、大学の先輩である中井精也さんとの運命的な出会いであった。入学式の日、私は中井さんに声をかけられ、サークルの「鉄道研究会」（当時）へ勧誘された。そのとき中井さんは、自作の鉄道写真とスライド映画を私に見せてくれた。特急列車の写真も数枚あったが、そのほとんどは美しい四季の中をゆく単線非電化のローカル線の写真であった。私は瞠目した。そこにはかつて自分が撮りたいと思っていた「ほんとうの列車」があった。自分の中で忘れかけていた情熱が蘇ってくるのを、私は感じた。そして思った。「もう一度鉄道写真をやってみよう」と････

以来、私の鉄道写真遍歴は現在にまで至っている。以前と違って特急列車やイベント列車などの華々しい列車にはあまり興味がなくなり（ただ復活蒸機=SLは好きなので、いい加減なものだが）、専らなんの変哲もないローカル線ばかりを撮り続けている。また、中井さんの後を受けて文化祭で上映するスライド映画用の写真を撮らねばならなかったので、同じ場所に何度も通うという撮影スタイルが染みついてしまった。だが今にして思うと、流行ものに手を出さずこのような撮り方に徹したことは、のちの自分にとって大いにプラスになったように思う。撮る対象が華々しくなかったからこそ、撮影をしながら多くのことを考えることができた。自分が撮りたい「ほんとうの列車」とは何なのか？　どのようにしたら「ほんとうの列車」を撮ることができるのか？　そして多くのものが次々と失われてゆく中で、ほんとうに美しいもの、守らねばならぬものとは何なのか？　それらの疑問との葛藤のすべてが、「鉄道情景への旅」へと収斂している。

中井さんは大学卒業後プロになられ、現在は鉄道写真界の第一線で活躍されている。大変ご多忙のようで、残念ながら最近はめったにお会いする機会もなくなってしまった。しかし中井さん卒業後も、私はサークルの素晴らしい先輩・同期・後輩たちに恵まれ、趣味を同じくする仲間との交流はお互い社会人となった今も続いている。「ねえ○×線に行かない？」と誘うと「いいよ、行こう行こう」と応えてくれる仲間たちがいることを、私はこの上なく幸せに思う。中井さんやサークルの仲間たちに出会う以前の私だったら、こうして自分の作品をWebで公開する日が来ようなどとは夢にも思わなかっただろう。

私を支えてくださった多くの皆さんに対し、念願のホームページ開設の日が迎えられたことを、心より感謝いたします。

2001年1月1日　21世紀最初の記念すべき日に　船坂晃弘　

●作者プロフィール●
本名	船坂晃弘（ＨＮは「ふにゃ」です）
生年月日	昭和44年9月11日･･･蠍座の女ならぬ「乙女座のオトコ」～♪（爆）
出身地	横浜市
座右の銘	God is in the details　（神は細部に宿る）
趣味　その１	「クラシック音楽鑑賞」。所蔵CD枚数推定500枚以上！（そのほとんどが独墺系オーケストラ曲または宗教曲という困った偏りぶり･････）　一番好きな作曲家はブルックナー（最近はバッハにもはまってます）。指揮者ではハンス・クナッパーツブッシュが最高ですね。ただしクラシックの知識には（所蔵CDのジャンル同様）かなり偏りがありますので、その辺はご容赦下さい（爆爆）都内が職場なもので、地の利を生かしてコンサートにもよく行っています。随分いろんな名演奏に接してきましたけど、やはり一番印象に残っているコンサートは、2000年11月13日、ギュンター・ヴァント指揮北ドイツ放送交響楽団来日演奏会（シューベルト「未完成」、ブルックナー第九）ですね。生涯最高の一日でした(ToT) レコードで「この１枚」を挙げるとしたら、カール・リヒター指揮ミュンヘンバッハ管弦楽団＆合唱団による、最晩年のバッハ畢生の大作「ミサ曲ロ短調」（アルヒーフ）でしょうか。他の演奏では絶対に聴けない緊張感に満ちたキリエ。躍動的なグローリア。そして、魂を洗われるかのようなニケーア信経の９曲のあとにやってくる神々しいサンクトゥスの大合唱は、もはや涙なしには聴けません。人類が作り得た最も高貴な音楽にして、人類がなし得た最も素晴らしい演奏がここにあります！(ToT) あと、クラシックじゃないですけど、エンヤは大好きです（特にゲール語の曲）。早く新アルバム出してくれないかなあ～ o(^-^)o
趣味　その２	「水泳」。あくまで「趣味」。「特技」じゃないっす。ゆっくり時間をかけて1～2kmくらい休まず泳ぐようにしてます。でも公営プールって、水泳部出身らしいイルカみたいに速いやつが多くて、ワシは肩身が狭いです（泣）ちなみに上半身がクロール、下半身がバタフライという珍泳法「バターロール」（笑）という得意技がありますが、大変恥ずかしいので人前ではお見せできません。仕事が忙しくなって、最近はプールへの出撃回数が激減。下腹部と下顎の辺りが肥満度ステージ１です（自爆）
趣味　その３	「読書」。暇さえあれば本読んでます。最近は忙しくて読む暇がないので、トイレとか電車の中で読んでいます（目悪くなるぞ～～）　ジャンルはチャンポン、いわゆる乱読ですが、ワシの読んでいる本のタイトルを見て、なぜかこんな顔をする人が多いです→('◇')?　　え～？ナンデナンデ？　戦史も好きで、「歴史群像」は毎号購入して端から端まで読んでいます。

（著作、写真展、出版物掲載、ＴＶ出演、フォトコンテスト受賞歴など）

（2009年）
　9月22日～27日、横浜市の「かなっくホール」（JR東神奈川駅前）にて開催された写真展「鉄道写真七人会と18名の仲間たちによる　鉄道情景写真展　とれいん・はしる・夢限りなく･･･2009 Special」に参加出展。

　「岩泉町龍泉洞公式ガイドブック vol.2　アクティブガイド」（編集：東北レジャー情報　発行：岩泉町・経済観光交流課　発売：東北文化出版）に拙作が掲載されました。

（2008年）
　第9回　鉄道のある風景写真コンテスト　入選　　受賞作品はこちらへ

（2007年）
　11月26日、隔月刊誌「自遊人」2008年1月号（発行：カラット）に拙作が掲載されました。
　（特集「汽車旅讃歌」　p34～41「ローカル線冬の旅　なんとか乗れた岩泉線」　文：関川夏央氏　写真：船坂晃弘）

　10月12日、ポストカード「岩泉線　山峡の細き道」（10枚組）発売。詳細はこちらへ

　朝日新聞岩手版10月10日の記事「人気の旧型車来月限り」に、岩泉線のキハ52型気動車に関する私のコメントが載りました。
　朝日新聞岩手版10月9日で、写真展「岩泉線讃歌」が紹介されました。
　岩手日報9月18日で、写真展「岩泉線讃歌」が紹介されました。

　9月15日～10月14日、岩泉町うれいら通り商店街にて、写真展「岩泉線讃歌　８人のアマチュアカメラマンによる岩泉線写真展」を開催。
　（メンバー：安藤直人、梅津敦、大宮知、佐伯剛史、眼目佳秀、船坂晃弘、古田彰吾、山岡亮治）

　旅行情報誌「旅の友」9月号（クラブツーリズム刊）に拙作（JR岩泉線の作品）が掲載されました。

（2006年）
　第30回　鉄道ファン・キャノンフォトコンテスト　富士フィルム賞受賞。詳細はこちらへ

　11月8日午後6時17分より、岩手朝日テレビの番組「残したい岩手の光景（鉄道の情景　岩泉線）」に出演しました。
　朝日新聞岩手版10月28日の「郷土のほん」のコーナーで、写真集『岩泉線　鉄道情景への旅』が紹介されました。
　読売新聞岩手版9月23日の記事「"秘境駅"に行きたい」に、岩泉線に関する私のコメントが載りました。

　4月29日～5月15日、岩泉町うれいら通り商店街にて、写真展「岩泉線　山峡の細き道」を開催。

　岩手日報4月29日で、写真展「岩泉線　山峡の細き道」が紹介されました。
　岩手日報1月28日夕刊に、写真集『岩泉線　鉄道情景への旅』発売の記事が載りました。

（2005年）
　12月2日、写真集『岩泉線　鉄道情景への旅』（発行：岐阜新聞社）上梓。　詳細はこちらへ

　JR東日本の車内誌「トランヴェール」5月号に拙作（JR花輪線の作品）が掲載されました。

（2004年）
　第5回　鉄道のある風景写真コンテスト　入選　　受賞作品はこちらへ

（2003年）
　第4回　鉄道のある風景写真コンテスト　入選　　受賞作品はこちらへ

（2002年）
　第3回　鉄道のある風景写真コンテスト　秋賞（運輸施設整備事業団理事長賞）受賞　　受賞作品はこちらへ
　第3回　SL冬の湿原号フォトコンテスト　第三部門「SLスナップ」準グランプリ受賞　　受賞作品はこちらへ

●撮影使用機材●（※は現役を引退した機材）
カメラ	Canon EOS1N HS 　※　Canon EOS RT 　※　Canon EOS 620
デジタルカメラ	Canon EOS1D mark3 FUJI FinePix S100FS RICOH GR DIGTAL 　※　Panasonic LUMIX DMC-FZ10
レンズ	Canon EF 17～35mm f2.8 L USM Canon EF 24-70mm f2.8 L USM Canon EF 70-200mm f2.8 L IS USM Canon EF 300mm f4 L IS USM Canon EF 400mm f2.8 L2 USM Canon EF 50mm F1.4 USM 　※　Canon EF 28-80mm f2.8-4 L USM 　※　Canon EF 70-200mm f2.8 L USM 　※　Canon EF 24mm f2.8 　※　Canon EF 50mm F1.8 2 　※　Tokina AT-X80-200mm f2.8 　※　SIGMA 70-210mm f4-5.6 UC 　※　SIGMA 28-70mm f3.5-4.5 UC 　※　SIGMA APO 400mm f5.6 KENKO TELEPLUS C-AF 1.5× Canon EXTENDER EF1.4× Canon EXTENDER EF2× RICOH 0.75× WIDE CONVERSION LENS GW-1 RICOH 1.43× TELE CONVERSION LENS GT-1 　※　Panasonic ワイドコンバージョンレンズ DMW-LWZ10