「雪の川代集落」

北上山地の深部では、集落も道路も鉄道も、深く切れ込んだ谷底にぎゅうぎゅうに押し込められている････かと思うと、そうとも言い切れない。四国全島とほぼ同じ面積と言われるこの大山塊の風景は、実に変化に富んでいて面白い。

この川代集落は、河岸段丘の上にまとまった集落が展開していて、岩泉線沿線の俯瞰ポイントの中では異彩を放っている。こうして集落と線路を見下ろす丘の上に立ってみると、今は穏やかに流れる大川（画面中央やや左側をＳ字に流れている川）がこの雄大な景色を作り上げるまでにかかった、気の遠くなるような時間の長さを感じる。