「白銀の朝」

「吹雪の宵」の翌朝の列車（683D）である。一日中狂ったように降り続いた「春の大雪」は夜中になって漸く止み、未明の雲間には星が瞬いていた。

きっと今日は、私の全「岩泉線詣で」中最高の一日になるに違いない･･････　そう確信していつもより宿を早く出、思い撮影機材を背負い、膝上まである新雪と30分以上格闘してこのポイントへ上がった。天気は快晴。息を呑むような見渡す限りの樹氷。遠征組の私には願っても二度と味わえないであろう最高の舞台に、千両役者は自らも真っ白に化粧をし、厳かに登場した。