3 第2章 最後の夏が逝く 4/8 5

紀伊野上〜動木 Canon EOS 620 Tokina AT-X80-200mm f2.8 RDP2 1993.9

夏の終わりは低気圧とともにやってくる。貴重な休日を利用してせっかく来たというのに、このように雨に見舞われた日もあった。秋雨に煙る貴志川ぞいの築堤をゆくデ11。

 

紀伊野上 Canon EOS 620 Tokina AT-X80-200mm f2.8 RDP2 1993.9

雨の紀伊野上駅。ここは三脚を立てる足場がなく、露出も厳しかった。1/60か1/90くらいだったかもしれない。200mmでよくぞブレなかったと思う。

 

登山口 Canon EOS 620 Tokina AT-X80-200mm f2.8 RDP2 1993.9

野鉄の終着駅、登山口駅。生石ケ峰(通称、生石山。海抜870m)への入り口であり、かつては駅名も「生石口」と言った。生石山の山頂部には、東西約2キロにも及ぶ日本有数のススキの大平原があり、観光地としてばかりでなく、動植物の宝庫としても注目されている。その生石山方面へ向かうバス路線や、神野市場・美里町方面へ向かうバス路線は、ここから分岐しており、小さいながらも野鉄バスの一大拠点でもあった。

このあたりまで来ると、全く山里の雰囲気である。雨はやんだが、山々にはまだ所々に薄くガスがかかり、浮き世離れした野鉄の電車と相まって、さながら桃源郷のようである。とても平成の世の光景とは思えない。