1 第2章　最後の夏が逝く 2/8 3

日方（連絡口）〜春日前　Canon EOS 620　SIGMA APO 400mm f5.6　RDP2　1993.8

「連絡口」を出発して登山口へと向かうデ11。残暑はまだまだ厳しい。

　

幡川〜重根　Canon EOS 620　Tokina AT-X80-200mm f2.8　RDP2　1993.9

野上谷をのんびりと走るデ11。野鉄の車窓が黄金色に輝く季節がやってきた。基盤整備がされていない田んぼが続くこの小さな谷には、小さな電車たちがよく似合う。

　

幡川〜春日前　Canon EOS 620　Tokina AT-X80-200mm f2.8　RDP2　1993.9

そしてこの季節、沿線のいたるところには彼岸花が咲き乱れていた。真っ赤な花が、少々窮屈な風景に彩りを添えてくれた。

　
北山〜野上中　Canon EOS 620　EF 28-80mm f2.8-4 L USM　RDP2　1993.9

海南市のはずれにあたるこのあたりまでやってくると、家並みもまばらになり、のどかな田園風景が広がる。いよいよ稲刈りの時期も近い。

この年は未曾有の大凶作の年で、全国各地で過去最悪の作況指数が報じられていたが、野上谷の稲穂は例年通りたわわに実ってくれたようだ。重たくなった穂の上を強い風が吹き抜けていったのか、田んぼのあちこちに「風の爪痕」が残っていた。